『週刊ダイヤモンド』2018年8月25日号の第一特集は豊富な経済データやランキング、イラストで平成30年間の経済を振り返る「平成経済全史 さらばレガシー、その先へ」。本特集では平成が幕を開けた1989年、週刊ダイヤモンドがどのような特集を掲載したかを簡単に振り返っているが、紙幅の都合上、当時の記事全文は紹介できていない。そこで今回、特別にダイヤモンド・オンラインで「特集 怒涛のカリフォルニア買い占め」(1989年9月30日号)の中から、一部の記事を全文公開する。米国カリフォルニアでの邦銀の“爆買い”を詳報しており、今の銀行とは正反対の、バブル絶頂期らしい勇ましい姿が読み取れる。
特集 「怒涛のカリフォルニア買占め」
日系銀行が総資産の4分の1を押さえる
ハワイの日本人による不動産の集中豪雨的投資がカリフォルニアに飛び火した。ロサンゼルス・ダウンタウンの再開発は日本企業主導で行われている。ハイテク分野への進出も目を見張る。その背景には全米平均を大きく上回るカリフォルニア市場の成長性、アジア太平洋経済圏としての位置付けがある。サンフランシスコ連銀が最近まとめた調査は、同州での日系銀行の躍進ぶりを浮き彫りにしてみせた。この特集ではまずそれを紹介し、その後、ハイテク、不動産分野での日本企業の実態をレポートする。
カリフォルニアの一大銀行パワーに
サンフランシスコ連銀のエコノミスト、ゲーリー・ジンマーマン氏が同連銀の季刊誌(89年夏季号)に発表した調査によると、日系銀行はカリフォルニアで「1980年代半ば以降、資産、貸出、預金、どれを取っても劇的な増加ぶりを見せている。82年から88年の間に、同州の日系銀行の総資産は346億ドルから934億ドルへと、3倍近くに増加、マーケットシェアは82年の10.7%から、88年末には25.2%へと伸びた」という。