相手の気を緩めさせてからが勝負

 東京オフィス支社長の静本は現在、新卒採用の3次面接を担当しています。

「当社の面接時間は、他社と比べると長いと思います。
 30分や1時間では、人の本質を見抜くことはできませんから、3~4時間、学生と話をしますね。

 しかも、学生が緊張しないように、できるだけ、ざっくばらんに話しかけるようにしています。
 面接会場の前を通った副社長から、『おまえの面接、合コンみたいやんけ』と笑われたこともありますね(笑)。
 でも、そういう空気をつくらないと、人間の本質は出てこないと思います。
 最初の1~2時間は、完全に『ネタ振り』です(笑)。

 そして、就活生の集中力が途切れてきてからが勝負。
 なぜなら、その人の本性や本質は、緊張や集中が途切れたときにあらわれるからです。
 できるだけ気を緩めさせるのが私の作戦ですね。
 また、私は『無気力、無関心』な人材は、ヒルトップに向いていないと考えています。
 たとえば、『こちらの雑談に乗ってこない学生』や『話を聞くだけで、自分からは話しかけてこない学生』などです。
 当社が求めているのは、『他人にも興味を持てる人材』です。
『自分だけがよければいい』とか『自分とは関係ない』と線引きする人は、必要ありません。
 なぜなら、『会社の社風』は、みんなでつくるものだからです」(静本)

 今回、年間2000人の見学者が訪れる、鉄工所なのに鉄工所らしくない「HILLTOP」の本社屋や工場、社内の雰囲気を初めて公開しました。ピンクの本社屋、オレンジのエレベータ、カフェテリア風の社員食堂など、ほんの少し覗いてみたい方は、ぜひ第1回連載記事をご覧いただければと思います。