日本人の1日当たりの平均食塩摂取量は、男性11.4グラム、女性9.6グラム。一方、高血圧や血圧が高めの人が目指すべき1日の塩分摂取量は6グラム未満です。サラリーマンのみなさんが好んで食べるラーメンは、一般的なもので塩分量8.1グラム。昼食に食べれば、スープを半分残したとしても、目標塩分摂取量の3分の2は取ってしまうことになります。ここにチャーハンや餃子を付ければ、たった1食で、あっという間に目標塩分摂取量を超えてしまいます。

 高血圧対策には、減塩が不可欠です。しかし大半の日本人にとって、今の食生活からいきなり6グラム未満を目指しても、うまくいかないでしょう。最初は何とか頑張って続けられても、すぐに挫折するのが目に見えています。

月に1週間だけ減塩生活を厳守
「渡辺式 反復1週間減塩法」とは?

――減塩をしなくてはならないが、普通の減塩法ではうまくいかないということですか?

 まさにその通りです。私もかつてはそれに気づいていませんでした。高塩分の食生活を送る患者さんに、減塩の食生活を指導していたのです。一時は患者さんも減塩を守ってくれます。しかし継続できない。

 そこで考えたのが、私が担当する「減塩外来」で指導している「渡辺式 反復1週間減塩法」です。

 きっかけとなったのが、中学・高校時代の勉強法を思い出したことです。みなさんもテスト前の1週間、必死で勉強した経験はありませんか? 一部の人を除き、私たちは努力を長く続けられなくても、短期間必死に頑張ることはできます。それを繰り返し、知識が身に付いていくのです。この方法を活用したのが「渡辺式 反復1週間減塩法」です。

 患者さんには月に1回、減塩外来を受診してもらいます。その受診日の1週間前だけ、減塩対策を徹底してもらう。つまり、1日の塩分摂取量6グラム未満、朝、昼、夜の各2グラム未満の食生活を厳守してもらうのです。

――それはどのような食生活になりますか?

 醤油、塩、味噌、ソース、ケチャップなど調味料には塩分が含まれていますから一切なし。冷やっこは醤油をかけずに、刺身もワサビだけで、焼き魚は塩を振りかけず醤油もかけず、食べていただきます。味噌汁は味噌を使うので駄目。もちろん、塩分量の多い漬物も駄目です。

 しかし、塩分の摂取量6グラム未満にする以外は、食事の制限はありません。何を食べてもいい。焼き肉もOKです。ただし、タレや塩コショウをつけずに食べていただくことになり、キムチもビビンバも冷麺も頼めませんが。そしてこの1週間が過ぎれば、元の食生活に戻していただいて構いません。