5年前にメルカリが生まれた状況を再現したい――。『週刊ダイヤモンド』9月22日号の第一特集「新・価格の支配者 メルカリ」の拡大版として、メルカリの幹部たちのインタビューを特別連載でお届けする。7回目の最終回はメルカリ子会社で新規事業を手掛けるソウゾウの原田大作社長に、メルカリの新規事業について聞いた。(聞き手/「週刊ダイヤモンド」編集部 大矢博之、委嘱記者 村井令二)

基準はメルカリの数字
ヒリヒリしながらやってます

原田大作ソウゾウ社長
はらだ・だいさく/1981年生まれ。サイバード、ウォルト・ディズニー・ジャパンを経て、11年ザワットを創業し、ブランド品フリマアプリ「スマオク」を展開。17年2月、ザワットをメルカリに売却し、メルカリ子会社ソウゾウ執行役員として、ブランド査定付きフリマアプリ「メルカリ メゾンズ」などの新規事業を担当。18年4月ソウゾウ社長就任。

――メルカリに次ぐ柱となる新規事業に旅行を掲げています。なぜ旅行なのでしょうか。

 「モノ」の領域はメルカリが、「カネ」はメルペイが担うのならば、その次に必要なテーマは「コト」。コトとは体験です。それはコミュニケーションかもしれないし、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)かもしれない。そして、分かりやすい体験が旅行です。

 新規事業を成功させるためには、撤退の意識決定をするための明確な指標も必要です。メルカリ級の新規事業を目指すことを掲げているので、基準はメルカリの初期のPL(損益計算書)。例えばサービスをローンチして3ヵ月だと、どのくらいの広告費を使い、どのくらい成長したといった、メルカリの数字を基準にする。それくらいリアルに新規事業を進めることに決めたのです。新規事業をプロジェクト制にして可視化し、ルールを作ってヒリヒリしながらやっている。

 スタートアップ企業ならば、プロダクトをローンチし、投資家などから反応が来る。そこで時価総額がつき、増資が行われる。それと似た流れになるよう、スタートアップの予算のイメージで事業を進めています。今は無駄なことはせず、開発に集中する段階。メルカリ本体の広告費を使うのは格好悪いから、まず純粋にプロダクトとしてイケているのかという目線で開発を進めています。5年前にメルカリが生まれた状況を再現したいのです。