旧旭硝子・AGCがSASUKEスタッフの協力で目指す「大企業病の払拭」TBSの人気スポーツ・エンタテインメント番組「SASUKE」スタッフが製作に関与した「板ガラスの製法(フロート法)を模した子ども向けアスレチック設備」。全長36メートル。左側の滑り台から始まり、さまざまな障害を乗り越えて右側のトラックの荷台を目指す。ゴールでは、出荷スタンプが押されるという趣向 Photo by Hitoshi Iketomi

 9月2日の日曜日――。埼玉スーパーアリーナに併設されたコミュニティアリーナ(多目的スペース)に、TBSテレビの人気スポーツ・エンタテインメント番組「SASUKE」のスタッフ協力による巨大なアスレチックが出現した。

 実はこれ、世界一のガラス・メーカー、AGC(旧旭硝子)が開催した社内イベント「Aフェス」の会場内の光景である(AGCフェスティバルを短くして、こう呼称した)。

 社員の親睦イベントであるかのように思われるが、そうではない。れっきとした「社内改革活動」の一環なのである。

 昨年から今年にかけて、AGCは、社内改革活動に邁進している。

 2017年9月から、約1億円をかけて社内インターネットテレビ局(1年間の時限プロジェクト)を立ち上げ、社員参加型の番組を配信し続けた。加えて、10月中旬には東京・京橋にあるAGC studioを全面的に刷新し、過去には建築用板ガラスだけを置いていた空間に、最新の自動車用ガラスや化学関係の製品なども並べるようにした。

 さらに、18年4月には社内イントラネット上で、イラスト入りで社員のアバター(分身)を作れるサイトを公開し、「自分の夢」を宣言し始めた。代表権を持つ3人の最高経営幹部も、簡単な自己紹介を含めたアバターを作成した。