ただし、彼らは感情を抑圧するのではありません。むしろ喜怒哀楽を素直に表現します。とても自然体でバランスがいいのです。冷静でありながら人間味にも溢れている。つまり魅力的な人物なのです。周囲の人望も厚く、良好な人間関係を築くことができる。それによってさらに仕事がしやすい環境が生まれていく。これこそが成功へ向かう「正のスパイラル」です。

 逆に仕事のできない人物に限って、些末なことに心を奪われ、そのたびに感情を乱しがちです。その結果、仕事のパフォーマンスも人間関係も悪くなる。まさに「負のスパイラル」に落ち込んでいくのです。

頭の良さやスキル以上に感情コントロールが重要

 感情コントロールは自己コントロールとほぼ同義と考えられます。米国のある研究によると、大学生の成績と30を超える性格特性との関係を分析したところ、学生の成績に関連する特性は「自己コントロール能力」だけだということが分かりました。自己コントロール能力は、学生のその後の成績を予測する方法として、IQやSAT(米国の大学進学適性試験)のスコアよりも優れていたそうです。

 ビジネスパーソンを調べた別の研究では、自己コントロールのスコアが高い上司は部下からも同僚からも好意的に評価されていることが分かりました。そういう人物は感情も安定していて腹を立てることが少なく、他人に対して攻撃的になったりすることが少ないという結果も出ました。

 頭の良さや仕事の能力以上に、自己コントロール、すなわち感情コントロールができる人が社会的にも成功する。これらの研究からも、そのように言うことができます。良い人間関係をつくり、仕事で成果を上げ、幸せな人生を送るために一番に必要なこと。それは感情コントロールなのです。