東京株式市場で株価が27年ぶりの高値を記録した。
これは、日本企業の生産性が向上し、新しい事業やビジネスモデルが開発されたことの結果だろうか?
そうとは考えられない。なぜなら、他方で、労働分配率が43年ぶりの低水準に落ち込んだからだ。
株高は、生産性が高まったからでも、経済が量的に拡大したからでもなく、単に分配の変化によってもたらされたのだ。
以下で述べるように、このメカニズムは円安によって引き起こされる。
これは、分配上の観点から問題であるばかりではなく、「外的な条件が変わると簡単に崩れてしまう」という点でも問題だ。
実際、いまの状況は2006年頃と似ているが、そのときには、リーマンショックによって、企業利益増と株高のプロセスが崩壊した。今回はどうなるだろうか?