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膵臓がんの検査
膵臓がんは腹部エコー検査でも早期発見できることがあります Photo:PIXTA

膵臓がん危険因子の一つ
「IPMN」を見逃さない

 膵臓がんの危険因子としては、加齢・喫煙・糖尿病・慢性膵炎・肥満などが挙げられます。また、家族内に膵臓がんの方がいるとその発症リスクは高くなります。例えば、親子・兄弟姉妹に2人以上の膵臓がんがいる人のリスクは6.4倍、3人では32倍です。これらの要因がある人は、膵臓がんのスクリーニング検査を特に意識して受けるべきでしょう。

 膵臓がんのスクリーニング検査として有意義なのは、腹部エコー検査、CT検査、MRI検査など。膵臓がんは、胃の裏側、体の奥深い所に位置するために発見が遅れることが少なくありません。しかし、腹部エコー検査で膵臓周辺臓器の変化がきっかけで早期の膵臓がんが発見されることもあります。

 実際に、腹部不快感がある方をエコー検査した際に、膵臓に明らかな異常を認めなかったものの十二指腸の内径拡張や蠕動異常が指摘されたためにMRI検査を追加したところ、膵臓の尾部に切除可能な直径2cm程度のがんを発見したことがあります。エコー検査やMRI検査は放射線被爆がないので、定期検査やスクリーニング検査として実施しやすいのです。

 特に、MRI検査ではMRCPと呼ばれる膵管や胆管の状態を描出できる特殊検査を同時に行うことができます。膵臓がんの多くは、そのもの自体は画像検査でなかなか捉えにくいのですが、膵管という膵臓の内部を走る構造物の拡張や不整所見が、膵臓がんの発見契機になることも少なくありません。ただし、膵管の変化はエコーやCTなど他の検査で評価しにくい場合があります。

 一方、MRCP検査は膵管を明瞭に描出することができます。そして、MRCP検査でしばしば「IPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)」が発見されることがあります。これは、膵管に接してできる袋状の変化のことを言います。