利回り曲線の逆イールド化を巡る議論が白熱していたのを覚えているだろうか。その議論はもう終わった。いま聞こえてくるのは、債券市場のバブルがはじける音だ。経済成長の加速に伴い、長期債利回りは数年ぶりの高水準に達している。10年物の米国債利回りは3日、10ベーシスポイント(bp)余りも上昇(価格は下落)し、3.159%を付けた。4日はさらに3.196%まで上昇して取引を終えた。労働市場や企業投資が力強さを増している兆しが浮上し、投資家の売りを誘った。市場のさまざまな識者たちはつい最近まで、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げが短期金利を押し上げ、それが結果的にリセッション(景気後退)の前兆である逆イールドを引き起こすと警鐘を鳴らしていた。ところが実際には投資家が経済成長の加速を織り込み、利回り曲線はスティープ化しつつある。
米国債が示唆「リスク資産の宴」の終焉
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