

さて、新しい人事ソフトウェア時代のデータの中心にあるのは、「スキル」である。スキルとは、その人物が教育や経験で取得し職場で遂行できる能力のことだ。ワークデイでは、「スキルは新しい通貨」と強調する。なぜならその人物が持つスキルや企業が求めるスキルを正確に特定することによってのみ、それをデータとして有効に活用し、企業戦略に役立てることができるからだ。
同社によると、現在同一スキルのために20以上の異なった表現がある。同社は3100万人のユーザーがコミュニティーで使われている2億ものスキル表現を機械学習によって数100のグループに分け、さらに5万5000の確証済みスキルに抽出した。それを、「スキルズ・クラウド(Workday Skills Cloud)」でデータとして利用可能にしている。
スキルズ・クラウドを利用すると、次のようなことが可能になる。新しい人材を雇用する際には、求めるスキルとのマッチングが簡易になる。社内で人材を探したり新部署を組織したりする際には、最適な人材が探せる。あるいは社員自身が異動を希望する際にも、自分に欠けているスキルが明らかになる、などだ。
現在はビジネスや技術がどんどん変化して、必要なスキルも変わっている。そのために社員との「スキル・ギャップ」の解消が課題だが、ギャップの中身の特定にもこのスキル・クラウドは役立つだろう。