データの活用が進むと人事はどう変わるのか? 質、量ともに人材の課題は日本企業にとって大きい。人事が関連した作業の効率化、適切な採用、配置など人事テックが注目される所以だ。この分野大手のWorkdayは年成長率36%増で成長しており、今年は日本市場にも力を入れる。今年1月末に日本法人の代表取締役に就任したRob Wells氏、米国本社でバイスチェアマンを務めるMike Stankey氏に話を聞いた。
日本企業の海外展開が
Workdayの導入を後押し
人事システムではSAP、Oracleなどが世界的に知られる中で、Workdayはクラウドで誕生したSaaSベンダーだ。後発ではあるものの、クラウド人気も後押し、すでにFortune 500企業のうち175社以上、つまり35%が同社を利用している。顧客であることを非公開とする企業も多いが、Amazon、Walmartなどが顧客として公開されている。2012年のIPO時は、ユニークな採用活動と人事制度で知られるGoogleが採用したというニュースも話題となった。人事管理に加えて会計・財務も備えることから、欧米などでは代替ERPとしてのポジションも確立している。「クラウドなので最新の機能を利用できる。バージョンが変わったからアップグレードするという手間もない」とStankey氏、Workdayはこれを“Power of 1”と呼んでいる。
日本では日産自動車、日立製作所、ファーストリテイリング、ソニーなどが採用しており、2017年末には江崎グリコが採用を発表した。江崎グリコは海外への事業展開を進めており、これに合わせて今後1年がかりで国内外のグループ全拠点にWorkdayのHCMを導入する。「優秀な人材を社外から採用するとともに、従業員一人一人の強みや能力を活かした人材配置が重要になる」と背景を説明している。クラウドなので設定など導入の手間を省略でき、全世界でシステムを標準化できる。人材の可視化、世界共通の行動評価基準、トレーニングシステムの導入、経営戦略を人事面で支えるシステムとしても期待を寄せている。