個人投資家Photo:PIXTA

10月1日、日経平均株価が終値で1991年11月以来26年11カ月ぶりの高値となる2万4245円76銭をつけた。こうしたニュースから、投資に本腰を入れようと考える人は多いだろう。筆者は仕事柄、個人投資家たちと話をする機会が多い。個人投資家といっても、日本の株式に投資する投資家もいれば、投資信託やFX(外国為替証拠金取引)など、投資対象は多岐にわたり、投資期間もさまざまだ。彼らは身銭を張っているため、機関投資家以上に相場や銘柄について詳しい人もいて、話をしていると非常に勉強になる。しかし、投資歴が1年程度の投資家“ルーキー”数人と話していて、少し違和感を覚えることがあった。今回はその違和感の正体を解き明かすことで、改めて個人投資家に投資の意義を問いかけたい。(株式会社マネネ 代表取締役社長CEO 森永康平)

最近の資産運用のトレンド「インデックス型ファンド」

 オンライン証券の普及により資産運用にかかるコストが限りなく低く抑えられることや、積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)や個人型確定拠出年金(iDeCo)などの開始により、個人投資家の裾野が広がっている。

 インフラや制度が整うと、あとは知識や情報があれば誰でも投資は始められる。インターネット上では、大量の情報にすぐにアクセスが可能だ。個人投資家がブログやTwitterなどで自身の投資成績や投資戦略を共有し、投資論などを展開しているため、家にいながら1人でも容易に投資を学ぶことができる。

 最近のトレンドは、低コストのインデックス型ファンドを積み立てるスタイルだ。低コストのインデックス型ファンドというのは、たとえば購入手数料が無料(ノーロード)で、保有期間中に差し引かれていく信託報酬も税込みで年率0.20%前後という低コストが特徴。日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)、あるいは海外などの株価指数に連動する投資信託だ。このような投資信託で毎月同じ金額を定期的に買っていくのが投資の王道となっている。