金融パニックから10年が経過し、当時、救済策の策定に当たった人々は勝利を祝っている。緊急対応の一部を支持したわれわれとしては、今になってあれこれ言うつもりはない。しかし連邦準備制度理事会(FRB)が10年近く続けてきたゼロ金利と債券買い入れという前代未聞の政策は、今になっても成果がはっきりしない。10日に株価が3%下落するなど今月に入ってからの株価の調整は、この政策のつけを払うときが近づいていることを示しているのだろうか。FRBによる金融政策のサイクルは、金利が低くて金融緩和策が実施されているときにどうだったかというだけでは最終的な成果は測れない。評価が明確になるのは、FRBが金融緩和の終了を迫られ、金利が上昇するサイクル終了局面だ。そのときになって初めて、FRBが刺激策に踏み込みすぎた結果、終了時に厄介な結末を招いたかどうかがはっきりと分かる。