総長選挙では候補者それぞれ改革案を出して、その方向性がそんなに違うわけではなかった。ただ私は、数字を出して具体的に語った。明治や青山学院大学などとの比較グラフで今のポジションを示し、現状のままいったときの将来シミュレーションを、私だったらどう右肩上がりにするか財政面を含め分析し、政策提案しました。経済学者ですから。

AIに大学全体どっぷり浸る

──何にどう投資していくんですか。

 各学部平等ではなく、選択と集中による「雁行型教育発展」で。

──雁行型?

 鳥の群れは1羽が先頭を飛びます。今、うちで一番先を走っているのが経営学部、異文化コミュニケーション学部であるならば、そこの教育モデルなりを学部内で閉じるのではなく、他の学部に浸透させていく。リーダーシップ教育や語学教育とかね。

 ピラミッド形式で先頭が引っ張り、最終的に全てをボトムアップする。従来的な横並びの発展では伸びどころを抑えることになりますから。

 それと全10学部、全ての学問領域で、AI(人工知能)を使った研究、教育を進めます。例えば経済学であれば、行動経済学で人間の行動が特定のシチュエーションでどう変わるか、ビッグデータを解析すれば、想定外の結論が得られるかもしれない。私たちの長年にわたる蓄積を、若い研究者が半年で超えるようなスピードで研究する時代です。

 学問だけじゃありません。大学は何十万人という学生の蓄積がありデータの宝庫。それを生かせば就職活動においてAIが適性を導き出すとか、学生サポートの在り方、教員の教え方、入試の在り方までも変わり得る。AIを一部で学んだり使うのではなく、大学全体でどっぷり浸る。最終的には人間が判断するにせよ、AIによって新しい大学をつくるくらいのことを考えています。

──AI時代に対応した人材養成という点では?