AI「ワトソン」を持つ米IBMは今さら、AIを教わる必要はないでしょう。でも、ワトソンを使いこなして新しい知見を生み出すという点では、彼らは弱い。AIを新しい領域に広げられる人材をわれわれが供給できれば、IBMに限らず企業は「欲しい」となる。

 ワトソンやソニーの犬型ロボット「aibo」のようなものの開発は、東京大学をはじめ国立大学が得意として手掛けるでしょう。われわれも研究するにしろ、それ以上にワトソンやaiboを使える人を育てる。

 立教は10の専門学部がある一方で、リベラルアーツ校。現代版リベラルアーツにはAIとIоT(モノのインターネット)の科目が必要です。全学部の学生が現代版での教育機会を得られるよう検討を進めています。

──「ネオリベラルアーツ」的な?

 そう。AIは単に人に取って代わるのではなくて、使い方によってはわれわれの創造性をさらに駆り立て、価値観をより豊かなものにします。

 この取り組みでは企業と連携したい。7月に内々で方針を打ち出して以降、IT、コンサルティング、金融、メーカーなど十指に余る数の企業とコンタクトしています。

──実行するにはカネが必要です。

 ええ、財政的な裏打ちが必要。年間40億円を研究や教育の投資財源として確保したい。従来は学納金や国の補助金がメーンでしたが、もっと積極的に自前で財源をつくります

──自前でどうやって?

 教育ビジネスって大きな市場ですよね。そこに大学自ら入って、リーダーシッププログラムや語学教育プログラムなどの教育コンテンツや入試、キャリアのコンサルティングなどを他の大学に売ったり。

 大学への入り口から、その中間、卒業後の出口まで、教育会社がやっていることをわれわれもやる。AI戦略はそれらにも生きる。自校だけでなく、日本の大学全体の教育の質も上げていきます。

──そうしたビジネスやAI戦略は、今後3年のうちに始まっている?

 はい。