自律走行車やロボットの夢を実現するのに必要な技術は、コンピュータービジョンや人工知能(AI)にとどまらない。自動車やドローン、宅配用ボット、さらには掃除機やロボットシェフでさえも、われわれの祖先が数百万年前に身につけたあるものを必要とするだろう。それは「場所の認識」だ。「自動運転車がどれほど地図の信頼性に頼っているかを人々は全く理解していない」。デューク大学のメアリー・カミングス教授(機械工学、電気工学、コンピューター工学)はこう話す。「地図が間違っていたら、自動車は何か失敗をしでかすだろう」アルファベット傘下のウェイモの自動運転車であれ、インテル傘下のモービルアイの画像処理技術を導入する多くの自動車メーカーであれ、いわゆる「自律走行」車は、ある意味でずるいやり方をしている。半自動運転システム「スーパークルーズ」を搭載したゼネラル・モーターズ(GM)の高級車「キャデラック」など、既に発売されたモデルも例外ではない。