若者、女性、外国人…
多様化する職場を受け入れられるか
現在、日本企業は「職場の多様性」という点で1つのターニングポイントを迎えようとしています。歴史的に「日本人・男性・正社員」を中心に据えた組織づくりを行い、同質性を高く保ってきた日本の企業は、構造的な労働力不足とグローバル化の波の中で大きな変化を迫られています。
女性活躍の推進はもとより、外国人労働者の受け入れへ向けて政府・自治体・業界団体を含めた動きが活発化しています。また、社会全体が高齢化するにしたがって企業内の年齢構成が歪み、これまでの年齢・年次といった属性を中心とした人的資源管理も限界を迎えようとしています。
従来の同質的な職場から「多様な人材が混ざって働く職場」への転換には、一定の心理的負担感や制度変更などのコストがついてまわります。しかし、上記のような潮流は不可逆な変化であり、職場内で多様な属性の人々が交じり合って働くことは、中長期的には避けられません。
こうした状況を踏まえ、パーソル総合研究所では『働く1万人の就業・成長定点調査2018』の結果から、職場内ダイバーシティへの「心理的抵抗感」についての分析を行いました。多様性に(相対的な意味で)不寛容なのがどんな層で、どんな組織風土がそれを助長するのか、ということを見ていきましょう。
先んじて結論を述べれば、ダイバーシティへの不寛容さは、「社会的地位/企業内地位の高さ」と強く関連しています。今回は、多様性を構成する属性の中でも、「女性」「年齢」「外国人」の属性をピックアップして、これらの属性についての態度から「職場内ダイバーシティへの抵抗感」を分析していきます。(※)
性と年代別に見た
ダイバーシティに「抵抗」を感じる人々
まずは、単純な性年代別に、ダイバーシティへの抵抗感の強さを見ていきましょう。グラフを見ると、男性の職場内ダイバーシティへの「抵抗感」は明確に上昇しています。この数値の上昇が世代的な背景によるものなのか、それとも世代に関わらず加齢に従って起こるものなのかは、これだけでは判別がつきませんが、女性はどの世代においてもほぼ一定であり、男性よりも抵抗感は低くなっています。