安易な移民頼みは
覚せい剤中毒と同じ

 事実、今年3月、安芸高田市(広島県)で外国人の定住を進める市の施策が報道されると、「日本人への税金の投入が先だ」「犯罪や生活保護受給者が増える」という怒りのクレームが、市役所に150件も寄せられた。

 一自治体が定住を進めると言っただけでこの有様だ。外国人労働者が家族を連れて定住をしていけば、全国規模でどういう事態が起きるかは容易に想像できよう。

 人手不足で苦しみ、猫の手も借りたいという業界からすれば、技能のある外国人労働者が来てくれるのは大変心強いだろう。筆者も取材などで、「外国人留学生に頼らないと、もうやっていけません」という経営者の悲痛な声を何度も耳にしている。

 彼らの気持ちに寄り添えば、「日本経済のためにも外国人労働者くらいじゃんじゃん入れてやれよ」という意見が出てくるのは当然だ。筆者も個人的な感情としては、「外国人も働きたい、人手不足の業界も助かる、ということで、みんなハッピーならいいんじゃない」と思う時もある。

 だが、「地獄への道は善意で舗装されている」という諺があるように、一見すると素晴らしい政策が、破滅的な未来を引き起こすということがよくある。

 外国人労働者の受け入れを拡大した直後は、確かにいろいろな業界から喜びの声が上がるのは間違いないが、日本人の若者たちは、弱い立場のまま、過重労働を強いられる。こうなれば、「犯人」として石を投げられるのは、「ムラ」の外からやってきた異邦人というのは昔から相場が決まっている。

 ただ、問題に気づいた時は後の祭り。一度受け入れてしまったものを、追い出すというわけにはいかない。そこで家族とともに生活をすればなおさらだ。結果、不満や憎しみを膨らませながらも、「移民」に依存をし続けるという、どこかの国のようなことになっていく。

 この構図は、覚せい剤中毒とよく似ている。幸せになるよ、楽になるよという甘いささやきから一度手を出してしまったら最後、ズルズルと依存して最終的には中毒になる。当初は頭もスッキリするが、使い続けていくうち、それなしでは生きられない体になってしまうのだ。

「移民」という劇薬もこれと同じで、せっかく苦しみを乗り越えて社会全体が生産性向上をしようとしている時に、「低賃金労働」の中毒者に逆戻りをさせてしまうのだ。ましてや、日本は既に「留学生」や「実習生」という「短期移民」に依存しかかっている。例えるのなら、危険ドラック中毒になって、次はもっと強い刺激を、と覚せい剤へ手を伸ばしかけている状況だ。