「外国人労働者」という
マイルドな表現でお茶を濁す

 このように、どう考えても明るい未来はない「移民政策」だが、マスコミはどういうわけか仕方がない的なムードとなっている。首相個人のスキャンダルはネチネチとしつこく何度も叩き続けたリベラル紙まで、何やら援護射撃をしているようにも見える。

 今月6日、7日に「毎日新聞」が実施した全国世論調査では、「建設や介護など人手不足の業種で外国人労働者の受け入れを拡大する政府の方針」に関して質問すると、「賛成」が47%と半数近くを占めた。一方、「反対」は32%、無回答も22%あったという。

 昨年3月に「日本経済新聞」がおこなった調査でも、「あなたは日本に定住を希望する外国人の受け入れを拡大することに賛成ですか、反対ですか」と質問をしたところ、「賛成」「反対」がともに42%で拮抗。特に18歳から29歳になると賛成が約6割に及んだ。

 こういう結果だけを見ると、「なあんだ、こいつはいたずらに恐怖を煽っているけど、多くの日本人は寛容な心で移民というものを受け入れつつあるのか」と勘違いをしてしまうが、これは典型的な「世論誘導」のテクニックだ。

 お気付きの方も多いだろうが、これらの調査では「移民」という言葉を使っていない。「日本に定住を希望する外国人」や「外国人労働者の受け入れ」というマイルドな表現を用いたことで、「移民」に対して、心のハードルが下がってマイルドな回答が返ってきただけだ。

 事実、「移民」という表現を用いた世論調査では全く違う結果が出ている。例えば、2016年2月の「産経・FNN世論調査」ではストレートに「日本が移民や難民を大規模に受け入れること」について質問をしたところ、反対は68.9%となり「賛成」と答えたのは20.2%に止まった。