ミスよけ大全Photo:PIXTA

データの入力や資料の作成などで、何かと起こりがちなチェック漏れを防ぐにはどうすべきか。このたび書籍『ミスよけ大全』を出版した経済評論家・経営コンサルタントの中島孝志氏が、文書作成、データ入力などでミスを見逃さないための注意ポイントを伝授します。

「1人」ではなく、
「複数」でチェック

 自分の目だけをあてにしていると、どうしても見落としが起きてしまうものです。能力の限界もありますし、癖とか習慣によっても偏りが出てきます。

 人に指摘されてミスしないで済んだという経験は誰しもあると思います。ほかの人が思い込みを糺してくれるのです。傍目八目という言葉もあります。

 昔、編集者をしていたときの話です。新聞や雑誌に掲載するキャッチコピーをまとめると、編集長、デスク、そして担当者の3人で必ず「読み合わせ」をするのです。同じ原稿を同じスピードで声に出して読みます。文字や表現に間違いがないかどうかを「複数の目」でチェックしていくのです。

 長文ではありませんから、ものの5分で終わります。しかし効果てきめんで、読み合わせをすると必ず間違いが見つかります。担当者が事前にあれほどチェックしたのに、見落としがあるのです。