学歴と仕事の出来は
やっぱり関係していた!?
会社説明会以外に、学歴フィルターが使われているケースは、エントリーシートだろう。
特に有名企業の場合、応募が殺到するため、すべての学生のエントリーシートをチェックする時間がない。そこで、「学歴フィルター」を通して、学生を選別するのだ。
福島氏によれば、多くの企業が実際に会社説明会、エントリーシートの書類選考時に「学歴フィルター」を使っているという。ただ、福島氏は「矛盾に聞こえるかもしれないが」と前置きした上で、「企業はさまざまな大学から学生を採用したいとも考えている」と指摘する。
「仮に特定の大学から3年連続で内定者が出なかったりすると、その大学の学生の応募数が大幅に減ってしまうのです。それは企業としてはかなりのリスクとなるため、あらゆる大学からまんべんなく採用したいというのが本音でしょう」
「ペーパーテストができるからといって、仕事での優秀さと相関関係はあるのか」、「低偏差値大学でも柔軟な発想力がある学生がいるのではないか」という声は昔からあり、「わが社は学歴不問、人物重視」とうたう会社も少なからず存在する。
とはいえ、ここ3年ほど、社員数5000人以上の大企業では「学歴フィルター」をかけざるを得ない状況なのだという。
「リクルートワークス研究所の調査によれば、今年も前年より大卒求人倍率が上昇していますが、大企業に関していえば、今年は0.37と、3年前の0.70に比べて実は半減近くまで下がっています。つまり、大企業に学生が殺到しているので、『学歴フィルター』を使って効率化を図らざるを得ないというわけです」
また、企業が学歴に回帰した理由として、各企業の人事部がデータを取って分析し始めたこともあるようだ。
「ある企業の人事の方から話を聞いてみると、優秀な社員の行動特性や、なぜ評価が高いのかなど、あらゆる情報を収集し、傾向を分析すると、ある程度、学歴の高さと仕事の出来の良さが比例するという結果が出たらしいのです。そのため、やはり学歴も軽視できないと認識を改めたようです」