仕事の速い「器用な人」ほど、実は危ない

実際、仕事の仕方を見ていると、たしかに、器用でもあり、優秀なのですが、どこか危うさを感じさせる人がいます。

日常業務では、仕事も速く、そつも無いため、周囲からは優秀との評価を得ているのですが、例えば「報告・連絡・相談」という情報共有の基本やスケジュール管理の基本を身につけていないため、危うさを感じるタイプです。

こうした人は、「自己流」「我流」で仕事をしており、「仕事の基本」をしっかりと身につけていないため、いざ、何かトラブルが起こったときには、トラブル対応の基本動作ができず、しばしば、問題に正しく対処できなくなることがあります。

逆に言えば、一流のプロフェッショナルは、どれほど華麗なプレゼンスキルや営業テクニックを披露しても、その奥で、しっかりとした基本を身につけています。そのため、見ていて「安定感」と「安心感」があるのです。

では、こうした一流のプロフェッショナルは、どこで、そうした「仕事の基本」を学んだのでしょうか。

学ぶべき人物を「見つける」ことは、一流への王道

それは、決して「仕事マニュアル」によってではありません。

では、何か。

「師匠」です。

それゆえ、一流のプロフェッショナルは、自身のキャリアを語るとき、例外無くと言って良いほど、次のような言葉を語ります。

「私の今日あるのは、若い時代に巡り会った、あの人のお陰です。私にとって、仕事の師匠は、あの人でした。あの師匠からは、本当に色々なことを学ぶことができました」

「あの師匠は、本当に仕事に厳しかったですね……。あの時代に、『仕事の基本』を徹底的に叩き込まれました。しかし、そのお陰で、ここまで来ることができました」

「あの師匠は、仕事では、鬼でした。修業は辛かったですが、お陰で、プロフェッショナルとして必ず身につけるべき『仕事に対する厳しい姿勢』を学ぶことができました」

分野を問わず、職業を問わず、一流のプロフェッショナルは、誰もが、若き日に、こうした「師匠」を持っており、口々に、このようなエピソードを語ります。

逆に、若き日に「仕事の基本」を教えてくれる師匠と巡り会うことが無ければ、多くの場合、我々の仕事のスタイルは、「自己流」や「我流」に流されてしまいます。