人工知能(AI)の開発・普及レースはハイテク業界で最も注目されているテーマの1つだ。アルファベットなどの米企業は、複雑な戦略ゲームで人間を負かす機械で話題をさらってきた。一方、中国は2030年までにAIのリーダーになると言明し、顔認識などの分野で長足の進歩を遂げてきた。AI開発ではデータがカギを握ることが多い。それは、近年AIが機械学習と深層学習で大きく進歩してきたからだ。機械学習はコンピューターが大量のデータからパターンを見つけ出すこと、深層学習は脳にある神経回路の層の活動をヒントにした機械学習技術だ。AIのこうした分野の多くでは、コンピューターに投入されるデータが多いほど良い結果が得られる。そして中国は、専門家によると、監視カメラがとらえた動画から買い物客の購買傾向に関する情報まで大量のデータを握っている。AIをリードすれば、経済成長をけん引する企業から軍事に至るまで、あらゆる面で有利になり得る。