発達障害は大人になって発症するものではない。子どものころの様子は、診断の鍵になる。父母や祖父母の特性も、大きな鍵を握る。発達障害には遺伝が大きく関わっていることが知られている。

 同じ遺伝情報を持つ一卵性双生児の研究では、双方が同じ発達障害になる確率が高く、自閉症の場合、一致率は80~90%になる。

 また、米国の調査では両親共にADHDの場合、子どもがADHDになる確率は54%上がり、子どもの1人がADHDの場合、その兄弟もADHDである可能性は25~35%上がるという。

 発達障害が表れるには環境要因も密接に作用するが、発現しやすさには遺伝が影響するのである。