リストアップされた慢性的な困難のうち、15項目以上が認められるかどうかが物差しだ。

 また、前出の星野教授が実践しているのは、根掘り葉掘り聞いていく多面的な診断である。

 まず、家庭や職場での様子について本人や配偶者、両親を問いただした後、本人に小学生時代までさかのぼって学校、友人関係、自己管理などの様子を聞き出す。

 続いて母親や父親に周産期や幼いころの様子、自身の病歴、さらに祖父母について尋ねるなどして、本人を中心に、それぞれどんな特性があるか、家族の詳細なアセスメント図を作るという。幼いころの質問としては、

●クルマの車輪、扇風機などくるくる回るものが好きで、じっと見て遊んでいなかったか。

●食べ物が欲しいときに、皿でなく母親の手を自分の前に持ってくること(クレーン現象)はなかったかなどがある。