ドナルド・トランプ米大統領の外交政策は、2つの段階を経過した。第1段階は控えめだったが、第2段階はより波乱に満ちたものだった。そして、最も決定的なものとなり得る第3段階が今、形成されようとしている。トランプ氏は大統領就任1年目には、主流派のアドバイザーらの判断に従う傾向を見せ、国際舞台で慎重に振る舞った。だが今春からは、国家安全保障担当の大統領補佐官だったH・R・マクマスター氏と国家経済会議(NEC)委員長だったゲーリー・コーン氏が政権を去ったことを受け、より過激な政策をとるようになった。北米自由貿易協定(NAFTA)、イラン核合意、中距離核戦力全廃条約、万国郵便連合などから離脱し、その間に世界中で次々に関税戦争を仕掛けた。