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知らないと損する!医療費の裏ワザと落とし穴

男性低所得者の死亡率は高所得者の3倍!
一体改革で懸念される「健康格差社会」の到来

早川幸子 [フリーライター]
【第27回】

所得で左右される人の死
低所得層の死亡率は3倍!

 しかし、日本福祉大学社会福祉学部の近藤克則教授は「窓口負担の引き上げは国民の健康格差を助長する」として警鐘を鳴らす。

 近藤教授の研究によれば、具合が悪いのに医療機関の受診を控えたことがあると答えた高齢者は、年収300万円以上の人が9.3%なのに対して、年収150万円未満の人は13.3%。その理由として、年収300万円以上の人は「待ち時間」をあげる人がもっとも多かったが、年収150万円未満の人は「費用」をあげる人がもっとも多くなっている。

 つまり、低所得の人ほどお金がないために医療機関の受診を控えている。そして、その結果は健康状態に如実に表れるという。

 65歳以上で要介護認定を受けていない人を4年追跡調査したところ、その間に死亡した男性高齢者は、高所得の人が11.2%なのに対して、低所得の人はその3倍の34.6%にも及んでいるのだ。

 「日本人という母集団の中から、ある集団を無作為に選べば、生物学的にはほぼ同じなので、どの集団でも同程度の平均寿命が期待できるはずです。ところが、現実は所得によって死亡率にこれだけの差が出ており、高所得層なら避けられている死が低所得層に集中しているのです」(近藤教授)

 70~74歳の人の医療費の窓口負担を引き上げれば、社会保障・税の一体改革の目的のひとつである「財政の健全化」には効果があるかもしれない。しかし、その一方で窓口負担を重荷に感じる低所得の人たちの受診抑制を進め、さらに健康格差を助長する副作用も考えられる。それでは、一体改革が掲げたもうひとつの目的である「社会保障の機能強化」という目標は達成できないのではないだろうか。

 1990年代以降、所得や社会的要因によって生まれる健康格差はヨーロッパ諸国やWHO(世界保健機関)でも問題視されており、その格差が拡大しないような医療政策・社会保障政策がとられるようになっている。

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早川幸子(はやかわ・ゆきこ) [フリーライター]

1968年、千葉県生まれ。明治大学文学部卒業。編集プロダクション勤務後、99年に独立し、以後フリーランスのライターとして女性週刊誌やマネー誌に、医療、民間保険、社会保障、節約などの記事を寄稿。現在、ダイヤモンドオンライン「知らないと損する! 医療費の裏ワザと落とし穴」、医薬経済社「ウラから見た医療経済」などのウェブサイトに連載中。13年4月から朝日新聞土曜版be on Saturday(青be)の「お金のミカタ」を執筆。「日本の医療を守る市民の会」発起人。


知らないと損する!医療費の裏ワザと落とし穴

国民の健康を支えている公的医療保険(健康保険)。ふだんはそのありがたみを感じることは少ないが、病気やケガをしたとき、健康保険の保障内容を知らないと損することが多い。民間の医療保険に入る前に知っておきたい健康保険の優れた保障内容を紹介する。

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