応募先を調べるどころか、まともに求人広告の内容を読んでいないのでしょう。これでは自分の希望する仕事に転職できるわけがありません。

 求人広告の細かい文言から何が読み取れるか、といった記事が人気になることがあります。それが悪いとは言いませんが、求人広告で興味を持ったらその会社についてきちんと自分で調べることがより重要です。面接がそれだという人もいますが、今の時代は面接以外でもいろいろやりようがあるでしょう。

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 つい最近、当社の紹介で大手コンサルティングファームからベンチャーに転職した候補者は、非常に優秀な方なので応募するとトントン拍子で内定が出されました。しかしトントン拍子であるが故にそのベンチャーに関する情報が不足していたため、社長の詳細なキャリアを調べた上で当社のコンサルタントにこんな相談を持ち掛けてきました。

「できれば今の会社ではなく前職A社の同僚や上司の方に、社長のリファレンスを取りたい。そうした方にお会いすることはできないでしょうか」

 リファレンスとはその人について、勤務していた会社の同僚や上司など第三者に照会を求めることです。外資系企業のエグゼクティブ採用でよく行われていますが、ここでは社員になる人が社長のリファレンスを求めた点が面白いところです。

 依頼を受けた当社のコンサルタントがベンチャーの社長に相談したところ、「私のことを一番よくわかっている同期がいます。ぜひ話を聞いてみてください」との答えで、この候補者は他県まで実際に足を運び、「この社長は素晴らしい人物です」との話を聞きました。そして「転職の気持ちが固まりました。お世話になります」と、最終的に転職を決意したのです。

 エグゼクティブの採用では、候補者のリファレンスを取ることがほぼ必須になってきています。企業に関しても、上場企業はさまざまな情報が公開されマーケットのチェックを受けていますが、未上場企業に関しては個人が会社や経営者についてリファレンスを取るような動きがあってもよいのではないかと考えています。

(株式会社クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏)