消費増税前に慌てて大規模修繕工事の契約をする必要はない?
消費増税前に慌てて大規模修繕工事の契約をする必要はない?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

安倍首相が、予定通り来年10月から消費税率を10%に引き上げる方針を固めた。マンションの大規模修繕工事を控えている管理組合にとっても、消費税の引き上げは大きな関心事だろう。中には、増税前に駆け込みで大規模修繕工事の契約を急いでいる管理組合もあるかもしれないが、本当にそれは正しい選択だろうか。(株式会社シーアイピー代表取締役・一級建築士 須藤桂一)

消費税引き上げのために
大規模修繕工事を急ぐ必要はない!

 安倍首相が10月15日の臨時閣議で、2019年10月から消費税率を10%へ引き上げると表明した。消費税の引き上げについては、これまでに2度見送られているが、どうやら今度こそ増税に至りそうだ。

 消費税が2%上がることでいろいろな分野に影響が及ぶが、マンションの大規模修繕工事も例外ではない。仮に総工事費が1億円の大規模修繕工事の場合、従来の8%の場合なら消費税は800万円だったものが、10%になると1000万円の消費税になる。税金だけで200万円も余分にかかる計算だ。

 そろそろ大規模修繕工事を視野に入れているマンション管理組合の中には、「余計な税金を払わないで済むように、増税前に大規模修繕工事に着手してしまったほうがいいのではないか」と焦りを感じている向きも少なくないだろう。

 しかし、結論から言ってしまうと、消費税引き上げを視野に入れて、大規模修繕工事を考える必要はない。

 建物自体が傷んでいて、すぐにでも大規模修繕工事の必要があるというマンションなら話は別だが、例えば増税を見越して、特に急ぐ必要のない大規模修繕工事を前倒しで実施しようなどと考えるのはやめたほうがいい。

 場合によっては、“ムダに高い買い物”になってしまう可能性さえあるのだ。