女性医師が活躍できる医療機関は安心
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医療界で今年の「最悪のニュース」といえば、間違いなく、東京医科大学の入試における女性差別問題だろう。多忙な大学病院では、出産などでどうしても休みがちになる女性医師が敬遠されてしまうことが背景にあったようだが、女性医師が多く、活躍できる医療現場の方が患者にとっても安全面においても“好ましい環境”であるのは間違いない。(医療ジャーナリスト 木原洋美)

自分は「敗者」じゃない
プライドがブレーキをかける

 医療界について今年の10大ニュースを挙げるとしたら、ベスト1はもちろん京都大学の本庶佑特別教授のノーベル医学生理学賞受賞であり、ワースト1は東京医科大学の入試における女性差別問題ということになるだろう。

 特に女性差別問題に関しては、当事者である女性医師からも“差別”を容認する発言が聞かれたり、「女性医師の手術は嫌だ」と題し、あたかもそれこそが世間の“本音”であるかのごとき偏見に満ちた記事を掲載する週刊誌まであったりでうんざりさせられた。

 というのも、昔からこの種の“差別”は、支配する側の“道具”として都合よく使われてきたからだ。支配階級にとっては、『民』が一丸であっては御し難い。階層を設けて分断し、互いに敵対し合うように仕向けることで、反発の矢が自分たちに向かうことを防いできたのである。

 医療現場における「民」は勤務医ということになるのだが、そこは男性医師、女性医師の2種類だけでなく、研修生、若手、中堅、管理職、独身女性医師、既婚・子育て中の女性医師、各診療科の医師、各医局の組織等々で、細かく分断されていることが多い。

 例えば、本来なら女性医師同士は手を携えて差別に「NO!」と唱えるべきなのだが、なかなか難しいのが実態だ。