ユニークな有給休暇制度で
消化率をアップさせている企業も

 有給休暇の取得が義務化されるとはいえ、先ほど紹介したフードサービス・飲食業界のように、実際に申請する社員は「申し訳ない」気持ちになってしまうなど、有休消化をポジティブに考えにくい状況が日本企業にはまだあります。そんななかで、有休消化率を前向きに上昇させている企業はどんな取り組みをしているのでしょうか。

 ヘルスケアサービスや医療系人材サービスを展開するグッピーズでは、さまざまな施策の結果、有給休暇取得率を53.34%から83.73%に向上させることに成功。その施策が「4連休」の取得を促すものです。勤続1年未満の従業員には、年1回計画的に4連休を取得するルールをつくり、勤続2年目以上は半年に1回、勤続3年目以上なら3ヵ月に1回の4連休取得を促しています。

 当初は、有給休暇の取得率を上げるために3ヵ月に1回3連休(土日含む)を取得できるルールを考えたそうですが、「3連休は祝日がある時に取れるので、4連休にしてほしい」という従業員の声から、全社会議を金曜日から木曜日に変更するという配慮も行い、金・土・日・月の4連休を取れるルールに変更したといいます。

 また、不動産業を展開するプログレスは、有給休暇の取得を促進するために、大きく2つの取り組みを行っています。まず1つ目が、ポジティブに有休休暇が取得できるように「○○休暇」というネーミングをつけたもの。

 例えば、平日に美容院やネイルなどを済ませられる「ビューティー休暇」、単に仕事に疲れたから休みたいという「プチギブアップ休暇」があります。自分では言いにくい理由でも、名前のついた休暇であれば、堂々と休めるため、「気まずさ」から解放されたという社員が多いそうです。

 もう1つが、「YouQ面談」という有給休暇の取得のタイミングについて、3ヵ月に1度、人事が聞きだすというもの。これはまさに来年4月からの「有給休暇取得の義務化」に先駆けて同社がつくった仕組みで、面談を通して旅行に行くのを楽しみにしている話や仕事を休んでゆっくり過ごしたいという希望など、人事が本音を聞きだし、有休の取得を奨励し、プランニングをサポートしています。

 有給休暇の取得が間もなく義務化されるなか、社内で有休を取りやすい空気感ができている企業はまだあまり多くないでしょう。そうしたなかで有休消化率をアップさせるためにも、経営や人事部、管理職などが旗振り役となり、社員に有給休暇の取得を「申し訳ない」と思わせない工夫が大切になりそうです。

(本記事はVorkers[ヴォーカーズ]からの提供データを元に制作しています)