EVの先に見据えているのは
EA、電気飛行機の開発

 ダイソン氏の野望はEVだけにとどまらない。その先に見据えているのはEA、電気飛行機の開発だという。EAがEVほど潮流になっていない理由はバッテリーの問題がある。リチウムイオン電池は、発火しやすいという弱点があり、航空機にとって致命的だ。しかしソリッド・ステート・バッテリーならば、この問題が解決できる。現時点では実用化に至っていないソリッド・ステートだが、トヨタは以前からこのバッテリー技術が「EV化の原動力となる」と指摘していた。まずはEVにこのバッテリーを使い、航空機の世界に進出、というのがダイソン氏の夢のようだ。

 掃除機や扇風機にこれまでにないコンセプトとデザインを導入し、世界的な企業に成長したダイソンが作るクルマは業界でも注目を集めている。2018年初めにはテスラの元コミュニケーション担当役員だったリカルド・レイズ氏がダイソンに移籍、さらにアストンマーティンから、製品開発担当だったイアン・ミナード氏、調達部門担当だったデビッド・ワイアー氏なども移籍した。

 現在、多くの自動車メーカーがEV製作に乗り出し、EVベンチャーの数も多い。ダイソンが目指すプレミアム市場は、テスラ、アウディ、メルセデス・ベンツ、BMW、ジャガーなどとの競合が予想される。その中で、どれだけユニークで魅力あるクルマが作れるのか。世界を“あっ”といわせる“ダイソン・カー”の今後に、注目が集まっている。

(報告/土方細秩子、まとめ/CAR and DRIVER編集部)