キャリアは一本道じゃない。
「AND」で考える

千葉智之さん千葉智之(ちば・ともゆき)
1973年広島県生まれ。広島大学経済学部卒業後、大手総合建設会社に入社し31歳で総合メディア企業へ転職という異色のキャリアを持つ。現在、総合メディア企業の美容業界向けの経営支援スクール部門とリサーチ部門の責任者。転勤で広島から東京に上京し、友達ゼロの状態から3年で3000人以上の交友関係を築き、全ての業界に顔の効くコネクターとして活躍。東洋経済新報社『出逢いの大学』、『やる気の大学』、ダイヤモンド社『「キャリア未来地図」の描き方』3冊の書籍を出版。「普通のサラリーマンがどうやって実のある人脈を形成していくか」をテーマに幅広く活動中。NHK「めざせ!会社の星」、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」出演。新聞、雑誌等メディアの取材、講演会多数。2011~14年、16~17年立教大学経営学部兼任講師。

会社限定の一本道とキャリアの将来を制限されてしまうと、「会社でのし上がるにはどうしたらいいか」、あるいは「大過なく過ごすにはどうすれば」……そんなことしか考えられなくなってしまいます。これでは会社の仲間もひょっとしたら不倶戴天のライバルに見えるだけ。
その道を廃して違う会社に移ってみた、給料は増えたけれどもその分忙しくなって家族や友達と話をする時間がなくなってしまった……のではこれまた逆効果で寂しい限りです。

改めて疑ってみたいのです。人生とは果たして一本道なのだろうか?
本当は違うのに、一本道だと思い込まされている、思い込んでいるだけなのではないだろうか?
一本道だと思っているから逃げ場がなく苦しい思いをし、悩んでいるのではないだろうか?

人生は二択で、そこで将来の道が決まってしまうかのような誤解ですね。
会社人生だけの一本道キャリアは"二者択一"の選択しかありません。
それはとっても息苦しい。
総合職に就くのか、専門職を選ぶのか?
就社を選ぶのか? 就職するのか?
仕事と夢は両立しないのか?
常に苦渋の選択を迫られる。

あえて問いたい。
人生とは選択=「OR」なのだろうか?

「働いていると、自分のやりたいことができない」
そんな悩みに、「OR」から生まれる苦しみが象徴されているように思えます。

僕らからの提案は「AND」で行こうよ、です。
「AND」のキャリアで行こう。

皆本当は「OR」ではなくて「AND」の人生を模索し、実践したいのだと思います。
選択を迫られるだけの人生より、いろんなことを積み重ねていく人生の方がきっと楽しいはず。
人生を複線化して、いろんな物語が交錯して、シナジーとエナジーとが膨らむ発想。
また「AND」にシフトすることで、人生のリスクを回避することもできる。
そんな新しいキャリアの視座を持つこと。
2019年はあらためて「AND」のキャリアという考え方も意識してみてはいかがでしょうか。

新しい手法として「AND」を提案しているように思ったかもしれませんが、実はすでにこのキャリアで成功をおさめた人がいます。それも19世紀に!
詳しくご説明しましょう。