公務員&日曜画家として成功した
アンリ・ルソー
一人の先達をご紹介しましょう。19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍した素朴派の画家、アンリ・ルソー。見ている人を異空間に誘うような不思議でエキゾチックな作風で、『蛇使いの女』や『戦争』などの作品が知られています。
ルソーは僕らのイメージする「AND」のキャリアで一生を全うした人です。
25年間、パリの税関吏として働き続けた公務員であったルソーは、いわゆる「日曜画家」でした。絵画のスキルも独学で学び、ルーブル美術館に許可をもらっては休日に模写を繰り返したと言われています。
つまり、日々の糧を得るための"本業"を持ちながらも、芸術家であり、作品を描き続けた人です。そして生存中はアマチュア画家でありながらも、最終的にはピカソやゴーギャンといった一流の画家たちから認められるまでになりました。
本業は疎かにはしない。しかし、もう一つ人生をかけて追求する「何か」を持っていること。
僕ら、千葉と原尻が伝えたい「AND」の可能性です。
ポイントは2つ。
1.本業はしっかり続けること
2.そして自分のやりたいことにも妥協しないこと
その意味で、「夢を追いかけて会社を辞めました。この後どうなっても後悔しません!」と言い切るような勇ましい行動に踏み出すことは、実はおすすめしません。
会社だけの一本道はよくない、と言いましたが、会社を辞めて夢だけにかける、のもまた同じ一本道発想にすぎないからです。
また、本業にプラスして新しい「ビジネス」を始めることも、僕らが提案する「AND」の考え方とはちょっと違います。
二つのことを追いかけるなんて、「AND」のキャリアって面倒なだけじゃないの? と思われるかもしれません。本業だけだってしんどいのに、さらにやることが増えるなんて、考えるだけでも嫌だ、そんな声も聞こえてきそうですね。
でも、でも。本来自分がやりたいことをしているときって、不思議なことに疲れないのです。
なぜか? すべてを自分が決定し、自分で動いているからです。
自分が主役なら、他人にとやかく言われることがないだけでも気持ちにゆとりが生まれます。
結果として本業でストレスを感じていたとしても、合わせて分散、発散してくれるんじゃないかと思うほどです。やりたいことをやった方が、ワクワク。面倒どころかイキイキできるんです。
※次回は「AND」キャリアの基本となる考え方、「ライスワーク」と「ライフワーク」についてお伝えします。2019年1月2日公開予定です。