米連邦準備制度理事会(FRB)は今年2回の利上げが可能とみているが、米経済のトラブルを示唆するニュースが相次いでいることからこの見通しが怪しくなっている。FRBは2018年には好調だった米経済が今年は減速に転じると既に予想し、利上げ回数が18年の4回を下回ると見込んでいる。だが今や2回の利上げでさえ実現が難しそうに思える。金融市場では、フェデラルファンド(FF)金利先物が利上げの可能性を否定する方向に動いている。しかも、一部の投資家やトレーダーはFRBが今年利下げすると考えている。センチメントを変化させているのは、変動の激しい市場と経済見通しの両方だ。2日にはアップルが中国での低迷などを理由に売上高予想を下方修正し、既に混乱していた投資家を驚かせた。FRB当局者は既に世界経済の減速が米経済に影響を与えると見込んでいたが、アップルのトラブルは米経済に一段と大きな逆風になりかねないことを示唆している。問題はさらに悪化するかもしれない。
FRB、利上げ継続に新たな悪材料の壁
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