「締め切りを設定する」だけで、2つのモチベーションを高める脳内物質が分泌され、モチベーションが上がりまくる、というわけです。

 締め切り設定を日々の仕事に活かすには、「見積書を1時間で完成させる」「プレゼン資料を午後3時までに完成させる」のように、時間ごとに締め切りを設定するのも効果的です。このとき、ストップウォッチ(または、タイマー)できちんと時間を測るのがポイント。

 スマホには、最初からストップウォッチのアプリが入っていますので、それを使うと便利です。

 脳科学者の茂木健一郎氏や、明治大学教授の齋藤孝氏も、「ストップウォッチ仕事術」を実践しているといいます。「苦しい」仕事にゲーム感覚が持ち込まれることで「楽しい」に変わるので、その意味でもおすすめの仕事術です。

ノルアドレナリンは
背水の陣の「カンフル注射」

 締め切りを設定すれば集中力が高まる。

 このように言いましたが、毎日が締め切りだらけになると、その効果は薄れてしまいます。

 私の友人でフリーライターをしている人がいます。原稿料は非常に安く、1本せいぜい数万円です。ですから、月に10本以上の仕事をこなさないとご飯が食べられない。そうすると、2、 3日に一度は、原稿の締め切りに追われることになります。

 つまり、「ほぼ毎日締め切り」の状態。

 これでは、ノルアドレナリンの集中力アップ効果は期待できません。ノルアドレナリンは「背水の陣」のときの「火事場の馬鹿力」を引き出す脳内物質だからです。毎日火事が起こっていては、脳は「またか」と、すっかり慣れてしまいます。

 また、ノルアドレナリンが毎日のように出る状態が続くと、ノルアドレナリンの枯渇状態に陥ります。やる気も出ず集中力も低い、無気力状態になってしまいます。これが長く続いた状態がうつ病です。ですから、締め切りを設けるといっても、ほどほどにしないといけません。

 ノルアドレナリンは、カンフル注射のようなものです。毎日カンフル注射を打っても、効果がどんどん薄くなるだけなのです。