ソニーから8K対応のブラビアが登場!
日本への投入が待たれる

 アメリカ・ラスベガスで開催中の「CES 2019」。その開幕前日7日(現地時間)にソニーがブースでプレスカンファレンスを開き、今年出展する新しい製品とサービスを公開した。ブラビア初の8Kテレビと、新しい4K対応の有機ELブラビアなどが見どころだ。

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 2019年のソニーブースはコンシューマー向け新製品の展示が例年よりもやや少ない。代わりに音楽に映画、テレビ番組やゲームなどコンテンツの作り手であるクリエーターの制作現場で活躍するプロフェッショナル向けCineAltaカメラ「VENICE(ベニス)」やミラーレスカメラ「α」の展示などを前面に出して、クリエーターとユーザーをつなぐソニーの「クリエイティブエンタテインメントカンパニー」としての姿勢をより強くアピールしている。

 プレスカンファレンスに登壇したソニーの吉田憲一郎社長もスピーチの中で「ソニーはテクノロジーを通じてクリエーターの創造性を刺激して、クリエーターがコンテンツに込めた思いをありのままユーザーに伝えられるハードウェアを提供していきたい」と語り、2019年も「人に近づきながら、感動を届ける」というコーポレートポリシーを継続していく考えを打ち出した。

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CESのプレスカンファレンスの壇上に立ったソニーの吉田憲一郎社長
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ソニー独自の技術によってクリエーターとユーザーの双方により近づきながら、感動を届ける戦略をあらためて表明した

 さて、ソニーが発表した新製品の目玉は、テレビのブラビアだ。ラインナップのトップレンジである「MASTERシリーズ」に、北米モデルとして8K高画質の液晶テレビ「Z9G」シリーズの98型/85型と、4K対応の有機ELテレビ「A9G」シリーズの77型/65型/55型が加わる。

 A9Gの発売時期が「春以降」とされていたこと以外、Z9Gの発売時期、ならびに両シリーズの販売価格は「未定」とされていた。日本での導入予定についてもCESの時点で明らかにされている情報はないが、昨年12月1日に新4K/8K衛星放送がスタートしているので、どちらの製品も日本で発売される可能性は高いとみていいだろう。ただし、チューナー内蔵の有無など、日本向け仕様の内容についてもCESでは案内がなかった。

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4K対応の有機ELブラビア、MASTERシリーズ「A9G」

 8KテレビのZ9Gシリーズは、現行のフラグシップモデルであるZ9FとA9Fにも搭載されている高画質プロセッサ「X1 Ultimate」を搭載。8Kテレビに最適化した画づくりを行なったほか、液晶パネルの背面に高密度に敷き詰めたすべてのLEDモジュールを独立駆動させて、高いコントラスト感を引き出す「バックライト マスタードライブ」の技術を、8Kテレビに最適化して搭載する。HDRの技術はHDR10とHLG、Dolby Visionをサポートした。

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8K対応の液晶ブラビア、MASTERシリーズ「Z9G」

 大きな画面の上下フレームに2基ずつのスピーカーユニットを埋め込んで、合計4つのスピーカーで定位の鮮やかなサウンドを再現するシステム「Acoustic Multi-Audio」をブラビアの液晶テレビとして初搭載。ガラスパネルを振動させて音を鳴らす、4K有機ELブラビアの「Aシリーズ」が搭載する音響技術「アコースティック サーフェス」に迫る“映像と音の一体感”が味わえるという。テレビ単体でDolby Atmosの立体的な音場再現も可能にした。

 4K有機ELブラビアのA9Gも高画質プロセッサ「X1 Ultimate」を搭載。自然な色再現を引き出す「ピクセル コントラスト ブースター」もA9Fと同様に搭載する。HDRの技術はHDR10とHLG、Dolby Visionに対応。

 卓上カレンダーのような「A9F」シリーズのデザインを変更して、テーブルトップスタンドに対して垂直に立てて設置する「A8F」シリーズに近づけた。壁掛け設置がしやすいように本体をスリム化したことに伴い、サウンドシステムは「Acoustic Surface Audio+」としてアップデートしている。本機も単体でDolby Atmosをサポートする。

 Netflixとの共同開発による「Netflix画質モード」、ならびにIMAXデジタルシアターのクオリティを家庭で再現するために、IMAXとDTSが共同開発した「IMAX Enhanced」にも対応。コンテンツクリエーターの意図した画質を忠実再現できるテレビとした。

 スマートOSのプラットフォームはAndroid TV。AIアシスタントとしてGoogleアシスタントを内蔵して、ブラビアに向かって話しかけるとテレビの電源のオン・オフやチャンネルが切り替えられる。Amazon Echoシリーズとの連携による音声コントロールにもスキルを追加することによって対応する。

 またアップルのAirPlay 2、HomeKitにもブラビアとして初めての対応を予定する。iPhoneやiPadに保存した動画・音声コンテンツをブラビアにAirPlay 2でミラーリングしながら視聴したり、Siriによる音声コントロールも可能になる。

 HDMIはファームウェアをアップデートした後に最新規格のHDMI 2.1に対応。Z9Gは8K対応のチューナーやソース機器をHDMIケーブル1本で接続できるようになる。従来のARCを拡張して、Dolby AtmosやDTS:Xなどオブジェクトベースのサラウンドなどハイビットレンジのオーディオデータを非圧縮で送れるeARCをサポート。4KのHFR(High Frame Rate)映像も対応する。

360度全方位から音が聞こえる音楽体験「360 Reality Audio」を発表

 テレビのほかには、ユーザーの360度全方位に音をオブジェクトとして配置して、豊かな臨場感が味わえる新しい音楽体験「360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ)」の技術を発表した。

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ソニー独自の立体音響技術「360 Reality Audio」を発表

 ソニーがスタジオエンジニアやクリエーター向けに提供するツールを使って制作したコンテンツを、スマホやタブレットで視聴できる音楽配信サービスに乗せて、モバイル端末で手軽に楽しめる音楽サービスとして開発が進められる。サービスの提供開始時期については明らかにされなかったが、CESの会場では13基のスピーカーを配置した特設シアターと一般的なオーディオヘッドホンで臨場感あふれるサラウンドが体験できるデモンストレーションを参考出展している。

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360 Reality Audioに対応する製品の一例として一体型スピーカーの試作機を展示した

 360 Reality Audioの対応コンテンツはソニーが単独で手がけるのではなく、外部のパートナーに技術を提供しながらオープンな環境をベースに拡大を目指す。CESの時点では世界的なライブエンタテインメント企業であるライブ・ネーション・エンタテインメントが対応コンテンツの企画・制作でソニーと協業することが発表されたほか、音楽配信サービスもDeezerにQobuz、TIDAL、nugs.netの4者が提供していくことを明らかにした。

 今後ライブ・ネーションが運営する全米6ヵ所のコンサートホールなどの施設で開催される、The Wombats、AJR、Good Charlotte、Kodalineなどのアーティストのライブ音源が360 Reality Audioの対応コンテンツとして制作される予定だ。

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360 Reality Audioを体験したミュージシャンのファレル・ウィリアムズもゲストスピーカーとして登壇。「クリエーターの意図したサウンドをありのまま伝えられる音楽体験」として全面的に応援すると宣言した

 このほかにも有機ガラスを使って360度に広がる音を再現する、ハイレゾ対応の“グラスサウンドスピーカー”の新製品「LSPX-S2」など、CES開催のタイミングに合わせて新製品もいくつか発表されていたが、残念ながらブースには置かれていなかった。日本発売のアナウンスを心待ちにしたい。

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CESの会場に展示はなかったが“グラスサウンドスピーカー”の新製品「LSPX-S2」も、今年5月以降に欧州で発売を予定する製品として発表された。価格は600ユーロ前後を予定