診療報酬改定は、国が目指す医療政策に誘導するための重要な手段となっており、今回の妊婦加算もその手法がとられたというわけだ。

初診で220円、再診で110円
妊婦の自己負担がアップする

 具体的な加算方法は、通院(外来)で医療機関を受診するときにかかる初診料や再診料(一般病床200床以上の病院は外来診療料)に上乗せする形で医療機関の報酬が引き上げられることになったが、それに伴い、妊婦が窓口で支払う自己負担額も次の図のように増えることになった(ただし、妊婦検診はもともと健康保険の対象外なので、妊婦加算はない)。

 診療時間内に受診した自己負担額(70歳未満で3割負担の場合)で比べると、初診料は一般の人は850円なのに対して、妊婦は1070円で、妊婦のほうが220円高くなる。再診料は、一般が220円なのに対して、妊婦は330円で110円の負担増だ。

 時間外や休日、深夜に受診した場合は、さらに加算額が高くなり、最高で640円の差がつく。たかが数百円でも、度重なれば、負担に感じる家庭もある。

 医療費を支払う側に立てば、「なぜ、妊婦だけ高い医療費になるのか」と疑問を抱くのも理解はできる。

 妊婦加算への批判の原因は、こうした負担増に敏感な国民感情への、想像力の欠如に加えて、SNSや各種メディアでの既報の通り、コンタクトレンズの処方など妊娠に配慮する必要のない診療でも加算できるようになっていた制度設計の甘さもある。