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ポスト2020にテクノロジーの
「不連続な変化」が起きる?
企業が注意すべき3分野の仮説

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第88回】 2019年1月18日
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AI技術のコモディティ化の進展:
チップ技術の進化により、低遅延、低消費電力によるAIアルゴリズムの実行が可能となり、AI技術を組み込んだデバイスが一般化することが予想される。また、大規模な処理能力を必要とする高度なAI環境はクラウドサービスによってユーティリティ化が進み、API(Application Programing Interface)などによって既存のソフトウェアから呼び出して利用できるサービス型が一般的になると見られる。これにより、AIインフラを独自に開発する需要は減少する可能性がある。

AI/音声認識によるコミュニケーション変革:
AIを活用した音声認識は、スマートフォンのアシスタント機能やスマートスピーカーでの音声による命令など、コンシューマー市場において存在感を強めている。また、企業での業務においても、音声命令・指示やアシスタント機能、会議の議事録やコールセンターでの顧客対応などで、音声のテキスト化、自然言語処理や自動翻訳などで急速な技術的発展と浸透が予測される。その結果、コミュニケーション手法やユーザーエクスペリエンス(UX)は大きな変革期を迎える。

データ分析とセキュリティ管理の自動化・自律化:
データ分析やセキュリティ管理といった高度な専門知識を必要とする分野においては、人材不足がますます深刻となることが予想される。一方で、単純な事務作業を対象としてAI技術を利用した自動化・自律化がRPAの導入というかたちで進んでいる。今後は、AI技術の発展とともに、データ分析やセキュリティ管理の分野においても、比較的単純な作業工程から、段階的にAI技術を利用した自動化・自律化が進むと予想される。

分散台帳/IoTの普及:
ブロックチェーンは暗号通貨の基盤技術から、分散台帳のプラットフォームとしての可能性が追求される時代へと進化しつつある。データの改竄が困難なことに加え、その分散型のアーキテクチャがIoTと親和性が高いことから、幅広い産業や業務で応用が進められており、従来実現が困難であった長大な供給連鎖から成るトレーサビリティのデジタル化や、モノと情報が一体化したフルデジタルのビジネス基盤として大きな可能性を秘めている。

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内山悟志
[ITR会長/エグゼクティブ・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。2019年2月より現職。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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