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生活保護の「住」が売られる?
NPO法人の会計報告をチェック

 昨年10月に刊行された堤未果氏の著書『日本が売られる』(幻冬舎新書)は、外資系巨大資本に文字通り「売られる」日本の公共サービスと産業の数々を描き出し、大きな話題を呼んだ。

 買う側が手にする利益は、税金・社会保険料・水道光熱費、あるいは日本が生き延びるために手放してはならないはずの第1次産業からもたらされていたりする。

 では、生活保護費が貧困ビジネスに“売られる”可能性はないだろうか。削減が続いているとはいえ、総額で4兆円弱という巨額、しかも財源は税100%だ。生活保護の「住」から、この可能性を検証してみよう。

 厚労省では昨年11月から、無料低額宿泊所の支援つき居住に関する検討会を行っている。検討会の構成員には、「自立支援センターふるさとの会」「ワンファミリー仙台」「エス・エス・エス」「ほっとポット」を代表する人々、および同様の活動を行っている「抱樸」の理事長である奥田知志氏が加わっている。

 これら4つの事業者は、いずれもNPO法人で、法に従って内閣府に事業内容や会計を毎年報告している。厚労省の検討会への参加を認められた、いわば“公のお墨付き”を受けた事業者たちは、どのように事業を展開し、収益を得ているのだろうか。

 福祉事業を主とするNPOの会計を理解することは、それほど困難ではない。収入を得て、収入の範囲で支出を行って事業を営み、剰余金があれば次年度に繰り越すなどの処理を行う。基本的な枠組みは、子どもの「お小遣い帳」の延長で理解できる単式簿記だ。

 子どもの「お小遣い」との違いは、収入に借り入れが含まれる場合があること、減価償却や固定資産の売却に関する経理処理、収益によっては納税を行う必要があること、という程度だ。