ただし、国民年金には基礎年金という形で、会社員や公務員なども加入しているため、それらも含めた全体の未納率は5%程度に薄まる。そもそも、公的年金は保険料を納めた人にしか支払われないので、国民年金の未納率が高まっても年金破綻の原因にはならない。

 保険料を滞納すると、老齢年金だけではなく、障害年金や遺族年金をもらう権利も自ら手放すことになる。「年金は破綻するから」と根拠の薄い情報に惑わされて、保険料を滞納すると損するのは自分だ。

 免除申請をしておけば、保険料を納められなくても加入期間にカウントされ、老齢年金だけではなく、障害年金、遺族年金のいずれも受給できる。経済的に苦しくて保険料を納められないときは、滞納するのではなく、必ず免除申請をしておきたい。

障害によって生活や仕事が
制限されることが受給要件

 病気やケガをすると、健康なら必要のない医療費がかかることに加えて、療養が長引くと仕事を休まざるを得なくなり、収入が減ったり、なくなったりするという経済的リスクも発生する。

 会社員なら、病気やケガで仕事を休んで給与をもらえなかった場合は、健康保険から傷病手当金がもらえるが、給付期間は最長1年6ヵ月だ(独自の保障を上乗せする付加給付のある健保組合のなかには、最長3年など手厚い保障を用意しているところもある)。

 その間に病気が治って復職できればいいが、がんは再発や転移によって治療が長引くこともある。そのため、中には体調が悪いのに、治療費や生活費を賄うために無理して働いている人もいる。

 だが、障害年金を受給できれば、経済的な不安はかなり軽減できるはずだ。障害年金は、働いていても給付を受けられるので、病気やケガで労働するのに制限が出て、短時間しか働けなくなったような場合も利用可能だ。障害年金を受給できれば、無理に働かなくても治療に専念できる可能性があるので、がんによって障害の状態になった人は申請を検討したい。