『桃太郎』に隠されたプレゼンの秘訣、お客にとってのイヌ・サル・キジは何か誰もが知っている昔話の『桃太郎』にも、実はプレゼン力向上に大きく役立つポイントが隠されている。あなたのお客にとってのイヌ・サル・キジは何だろうか Photo:PIXTA

どうしたら聞き手を惹きつけられるか?
『桃太郎』に学ぶプレゼン3つの秘訣

 優れたエンタテインメントには人を惹きつける力があります。今回は「劇団四季」からちょっと話題を変え、誰もが知っているであろう昔話の『桃太郎』を、プレゼン力向上のための題材として取り上げます。何百年も歴史を超えて愛され続けているこの物語には、実はプレゼンに活かせる普遍的なストーリー構成のエッセンスが詰まっているのです。

 桃太郎はいわゆる「冒険もの」です。これは神話の時代からある古典的なフォーマットです。日本ではヤマトタケルやスサノオノミコトの物語、海外で言えばギリシャ神話のヘラクレスなどなど、冒険ものには大きなポイントが3つあります。

(1)旅の目的が明確である

(2)道中の出来事に意味と因果関係がある

(3)結末と未来がはっきりと描かれている

 この3つがわかりやすく描かれていることが必要です。裏を返すと、この3つを守れば、人に伝わるストーリーは誰にでもつくれるのです。桃太郎の粗筋を追いながら見ていきましょう。

(1)旅の目的が明確である

 どんぶらこと流れてきた桃から生まれた桃太郎。親切な老夫婦に育てられ、物心ついた彼は、鬼ヶ島に鬼退治に行くことを決意します。

 桃太郎の目的は、「鬼を退治し、村を平和にする」こと。物語の最初の段階ではっきりと主人公の目的が提示されるため、読者に対してこの物語を読む目的が明確に提示されます。「うん、この物語は桃太郎が鬼をやっつける話なんだな。それを楽しみに、読み進めていこう」と、読む意欲をそそられることになるのです。