『週刊ダイヤモンド』2月9日号の第1特集は「文系でも怖くない ビジネス数学」です。三角関数に指数・対数、二次方程式。中学校・高校の数学で登場したややこしい数式や記号を見ると、今もむしずが走る文系ビジネスマンは少なくないでしょう。ですが、ビジネス、企業内のさまざまな問題を解決するには「数学で考える」ことが大きな武器になります。文系ビジネスマンでも明日から身に付けられる、そのエッセンスを紹介します。(本記事は特集からの抜粋です)
エッセンス(1)
議論の初めに言葉を定義する
「そんなことを言っているんじゃないよ」
「いや、それではさっきの話と違ってくる」
私たちの議論が擦れ違うとき、もやっとした「前提」(仮定)や言葉の「定義」が元凶になっていることが多い。
「議論を組み立てる上で大切なことは、定義から出発すること」(芳沢光雄・桜美林大学リベラルアーツ学群教授)だ。これを軽んじるととんちんかんなことになる。
例えば、正方形は台形か――。ノーと答えた人はいないだろうか。正解はイエスである。