「7040」「8050」
高齢化で高まる親子共倒れリスク

 正社員でも非正規でも報われない──。本来は、労働力人口のボリュームゾーンで、働き盛りであるはずの氷河期世代。この層が、能力を発揮することなく、アンダークラスやニートとなって滞留している事実は極めて重い。

 収入が低く、コミュニケーション能力に乏しく、婚姻関係を結ぶこともままならない。アラフォーの生活困窮者はこれまで親に頼ることで何とか生きてきたが、親子が共に高齢化することで、高齢期の貧困が社会問題化しているのだ。

 「7040問題」と呼ばれる現象をご存じだろうか。もともとは、介護・福祉関係者の間で使われていた専門用語だ。

 7040問題とは、70代の親と40代の子から成る困窮親子世帯が社会から孤立していく問題のことをいう(80代の親と50代の子による「8050問題」といわれることもある)。

 親の介護が必要になったり、場合によっては亡くなってしまったりすることで、中高年の子どもが親の庇護を失う。すると、たちまち水面下で眠っていたアラフォー氷河期世代の貧困問題があらわになってしまうのだ。

 橋本教授は、「20年後には、氷河期世代を含むアンダークラスの人口は1100万~1200万人になる」と読む。氷河期世代の問題を放置し続けたツケは大きいと言わざるを得ない。