eパレットPhoto by Hiroyuki Oya

『週刊ダイヤモンド』2月9日号の第1特集は「文系でも怖くない ビジネス数学」です。三角関数に指数・対数、二次方程式。中学校・高校の数学で登場したややこしい数式や記号を見ると、今もむしずが走る文系ビジネスマンは少なくないでしょう。ですが、ビジネス、企業内のさまざまな問題を解決するには「数学で考える」ことが大きな武器になります。大企業もまた、ビジネスの難題を解決するため、数学に目を付け始めました。トヨタ自動車は、将来投入する電気自動車のビジネスモデルのヒントを、数学から得ようとしています。(本記事は特集からの抜粋です)

 東北大学に「eパレット」はいったい何台必要になるのか――。

 2018年6月。日米から選ばれた5人の大学生・大学院生たちに、こんな課題が提示された。出題したのは、トヨタ自動車である。

 eパレットとは、トヨタが18年1月の世界最大の家電・IT見本市「CES」で満を持して発表した次世代の電気自動車だ。

 お披露目の場となった米ラスベガスの会場には、豊田章男社長が自ら登壇。「トヨタを、クルマ会社を超えた、人々のさまざまな移動を助けるモビリティカンパニーへと変革する」とぶち上げた。