映画のあらすじは、次のようなものだ。

 太陽の爆発が迫り、地球の終わりが近づいている。そんな中で、近づいた木星の引力によって滅亡の危機に瀕した人類は、地球をまるごと太陽系の外に脱出させようと決意し、行動を起こした。その後、新天地を求めて宇宙を旅するというストーリーだ。

 中国人SF作家である劉慈欣の同名小説を原作とし、4年の歳月をかけて制作したこの作品。公開わずか5日間で大ヒットとなったことで、今年は間違いなく「中国SF映画元年」として記憶されることだろう。

ハリウッドで
衝撃を受け決意

 監督は、ほとんど無名の郭帆。報道によれば、15歳のとき、ジェームズ・キャメロン監督の『ターミネーター2』を観てから興奮して一睡もできず、「将来、SF映画の監督になろう」と心に決めたという。

 しかし、北京電影学院への入学に失敗。海南大学法律学科に合格したものの、納得がいってなかった郭帆はビデオカメラを購入し、大学在学中にすでに短編映画を撮り始めていた。

 絵にも造詣があり、海南大学を卒業してからは北京に住みつき、映画やテレビ番組製作現場でバイトとして働いていた。有名な映画監督である張芸謀のクルーで働いたこともあった。数年後、再び北京電影学院の映画監督学科を受験、念願の合格を果たした。

 郭帆は、10年から14年の間に2本の映画でメガホンを取った。この映画は売れなかったが、「富川国際ファンタスティック映画祭」で最優秀アジア映画賞を、「北京大学生映画祭」で大賞を受賞。次世代の監督11人の1人と評価された。

 しかし、SF映画への夢は捨てられなかった。暇なときには天体物理や量子力学まで勉強し、SF映画を撮る準備をした。

 15年になって米国のハリウッドを訪問したとき、郭帆はあっけにとられ、衝撃を受けた。