自分と会社の「相性」を
判断する重要な方法とは?
(4)管理ではなく支援の姿勢がみられるか
指示・命令は、トップダウンのマネジメントで多用される。環境変化が加速し、誰もが情報に接する機会を持っている今日、トップダウンのマネジメントだけで社員の成長を促すことには限界がある。ボトムアップで巻き込み型のリーダーシップが発揮されているかどうかで、成長をもたらす機会があるかどうか見極めることができる。
ああしろ、こうしろ、ああする、こうすると断言される機会だけでなく、「何かしてほしいことはないか」「サポートできることはないか」というフレーズが繰り出されるのであれば、巻き込み型のリーダーシップが発揮されていて、成長性を促しやすい環境にあると言える。
このように申し上げると、ベテラン社員同士であればともかく、ベテラン社員が新入社員や入社候補者に対して、「何かしてほしいことがあるか」などという支援の姿勢を示すなどありえないと思うかもしれない。そう思ったならば、支援型のリーダーシップが発揮されていないということだ。
実際、ボトムアップで巻き込み型の支援型のリーダーシップを発揮している会社は、新入社員に対しても、入社候補者に対しても、派遣社員に対しても支援の姿勢をきちんと見せるものなのだ。
(5)モチベーションファクター(意欲が高まる要素)が合致するか
自分のモチベーションファクター(意欲が高まる要素)が、会社のそれと一致している場合は、意欲が高まりやすく、成長が促されやすいということが言える。
私はモチベーションファクターを2つの志向、6つの要素に分けている。2つの志向とは、牽引志向と調和志向だ。肉食系と草食系、狩猟型と農耕型と言うとわかりやすいかもしれない。目標達成や自律裁量や地位権限という要素でモチベーションを高めやすい人が牽引志向、他者強調や安定保障や公私調和という要素により意欲を高めやすい人が調和志向のある人だ。
モチベーションファクターをこの分類で捉えると、日本のビジネスパーソンは各志向、各要素とも大体均等にわかれる。牽引志向と調和志向の比率も半々だ。自分は調和志向だが、会社で会う面接官や担当者は牽引志向だったり、自分は牽引志向だが会社は調和志向のように思える場合は、要注意だ。基本的には、自分と会社のモチベーションファクターが一致していた方が、成長を促されるし、真逆の場合には成長を阻害される可能性があるからだ。
会社が合わない、仕事が合わないと漠然と感じている場合、会社や仕事のモチベーションファクターと自分のモチベーションファクターが一致していないケースがほとんどだ。自分が成長することができる環境に身をおくためには、モチベーションファクターを考慮することが不可欠なのだ。