1つ思いつくのは、強力すぎる広告やマーケティングを「解毒」するアプリのようなサービスをビジネス化することだ。

 「解毒」には、さまざまなレベルが考えられる。

 例えばユーザーが広告を見ているときに、その広告がターゲットを絞ってやってきたものであるかどうかを判断して広告の「怪しさ」「過剰度合い」などに対して小さく警告を発するようなアプリがあれば冷静になれるかもしれない。

 あるいは、購買行動直前のレベルで「その商品はいらないのではないか」「別のチャネルで買うともっと安いのではないか」といったウォーニングがあってもいい。また、一歩退いて、購買行動やお金の使い方の履歴をチェックして、購買行動や購買相手、資金計画などの問題点を指摘するようなサービスがあると役に立つかもしれない。

「カモになっている」と知らせるアプリが有効かも

 筆者になじみのある金融商品の世界に例えると、以下のような感じになる。

 例えば、高齢者に毎月分配型の投資信託の広告が送られてきた場合に、「あなたのことを高齢で、為替リスクなどに対する理解が乏しく、商品の手数料に鈍感な人だとプロファイリングして送られてきたターゲット広告の可能性があるので、注意してください」といった趣旨の知らせがあれば、ダメな商品への投資を踏み止まることができるかもしれない。

 あるいは、あるインデックス運用される投資信託をネット証券で買おうとしている顧客に対して、「その指数及び同類の指数に投資する投資信託で、もっと手数料の安い物があります」と指摘されると、投資対象を再検討できる。

 また、例えば、特定の金融機関との金融商品の売り買いの履歴を見て、商品の適否や販売アプローチの過剰度合いを判断して、「あなたはカモになっているかも!?」と警告が出るようなアプリも有益かもしれない(その際は、可愛い鴨のスタンプをデザインしてほしい)。

 マーケティングという行為には、ビジネスを成功に導く輝かしい側面と同時に、必要のない物を買わせる技術としてのダークな一面がある。マーケティングが強力になり過ぎている今日、これを「解毒」するサービスにも有益性とニーズがあるはずだ。

(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)