説明の順番を解説する前に、知っておくべきポイントがある。それは、説明には2種類あるということだ。それは「自分主導の説明」と「相手主導の説明」である。

「自分主導の説明」とは、自分の主張や結論を伝えることを目的として行う、能動的な説明のことだ。自分から相手に説明する場合や、仕事の上での商品説明やプレゼンテーションも「自分主導の説明」に該当する。「ゼロから組み立てる説明」とも言い換えられる。

「相手主導の説明」とは、相手から説明を求められた場合に行う、受動的な説明のことだ。「この商品が売れなかった原因はなんだ?」「夕焼けはどうして赤いのですか?」などの質問がこれにあたる。つまり、「問いに答える説明」だ。

(1)前提をそろえる

 ここから、「自分主導の説明」における基本の順番を具体的に紹介しよう。基本の順番は5つの段階に分けられる。(1)前提をそろえる、(2)結論・主張・本質、(3)根拠・理由・事実、(4)補足情報、(5)結論・相手に促したいアクションだ。

 まず「前提をそろえる」だ。よく「結論から話せ」と言われるが、それよりも先に前提をそろえよう。前提とは、これから話す内容について、相手がどの程度の知識を持っているかということだ。

 相手の知らないことを話すときや、過去に話したことはあるけれどその内容を覚えていなさそうな場合には、前提情報を共有しよう。たとえば新任の上司に対して自分の顧客の話をするとき、過去の経緯や取引履歴を簡単に説明し、相手と自分の知識レベルをそろえる必要があるだろう。

 さらには、相手の理解度に合わせて説明のレベルを調節することも重要だ。ほかの業界の人や、はじめて打ち合わせに参加する人に向けて説明するときには、言葉の難易度や専門性をそろえて話すようにする。具体的には、小・中学生に説明するくらいのつもりで話すのがおすすめだ。「相手がわかっていない」という前提にたって言葉を選び、何をどの順番で伝えるかを考えよう。

 加えて、「話の範囲」をそろえることも意識したい。目的は、限られた時間の中で、最適な情報量で伝えることだ。「あなたが知りたい内容のうち、今日はこの部分だけをお話しします」とあらかじめ伝えれば、相手の期待値を調整できる。打ち合わせの時間が短すぎる場合や取り扱う情報量が多すぎるとき、喫緊の課題のみに集中したいときなどに有効である。