ソフトバンクグループの通信子会社のソフトバンクが2018年12月に新規上場した。だが、料金競争は激化する見通しで携帯事業には逆風が吹く。親会社と連携して通信以外の分野に活路を開けるか。 (「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 村井令二)
ソフトバンク(現ソフトバンクグループ、SBG)が携帯電話事業に参入したのは旧ボーダフォンジャパンを買収した2006年。米アップルのiPhoneを国内で初めて扱うなど積極的な営業で契約者数を伸ばし、競合のNTTドコモやKDDIに対抗する3大キャリアの一角をつくり上げてきた。
そのSBGが18年12月19日、傘下の携帯子会社ソフトバンク株を東京証券取引所に上場。保有株の37%を売却して2兆円の資金を手にした。ただ、SBGは依然として持ち株比率63%を維持しており、ソフトバンクはSBGの中核子会社であり続けている。
ソフトバンクの強みは、携帯契約者の料金収入を原資にする強固なキャッシュフローだ。調整後フリーキャッシュフロー(FCF)は年間5000億円を目標としており、高水準のキャッシュを裏付けに、高い営業利益率を維持してきた(図1)。